小学校 社会科学習「有田焼のお話」

県内の小学校に勤務している私の同級生。そんな彼から4年生の社会科学習にご招待いただきました。 授業テーマは「有田焼について学習しよう!」

佐賀県が取り組んでいる県内産業学習の小学校4年生向けの社会科資料を、事前に見せてもらいました。そこには有田焼についても取り上げられており、実に詳しく掲載されていました。ただ、専門的単語を使っての説明は文字も多く、小学4年生がしっかり理解するには、難しいような気がしました。

 400年もの間、有田焼の伝統文化がなぜ今日まで続いてきたのか?朝鮮半島からの陶工による泉山磁石発見の400年前の後、徐々に作業場が広がり、人が住み、町が出来る。そして時代が求めるものと共に、変化に対応し技術と知識を向上させながら繁栄し、現代にも脈々と繋がる文化の歴史こその「有田焼」を伝えたい。かつての幕府献上品やヨーロッパ貿易による美術宝飾品、そして現代の一般家庭用食器や作家が手掛ける美術工芸品、さらに最先端技術のファインセラミックスまで・・・。

 でもそこは、6年生で習う日本史もまだ勉強する前で、農業を中心に地域を支える地区の小学校。豊臣秀吉も鍋島藩も、焼き物が作られる過程もよく知らない子供たちに、2時間授業の長丁場、関心を持ち続けてもらうためには?を考え、「見せる」「触れる」「自分のことに置き換える」を念頭にタイムスケジュールを組んでみました。

 持参したのは、陶器と磁器の茶碗、うちの敷地内で採集した有田磁器の陶石、精製した陶土、ロクロや絵付けで使う道具の数々、有田のマップは有田観光パンフを配り、それと、独自の技法や表現がわかりやすく、作家の思いが伝わりやすい自分の作品をいくつか。

陶器と磁器の茶碗を叩いて見せ、音の違いで材質を説明。そこからの有田焼400年の歴史や他産地との比較。 道具は使う術によって工夫され、時には自分で作り、繰り返しの鍛錬の中で技術を習得していく。 石を粉砕して作られる磁器陶土のすべすべした肌触りは、触れて、手を動かして形にして体感してもらいました。これらの「見て触れて」は、子供たちが興味と関心を持ち、そして楽しんでいる様子が良く伝わってきました。

 後半は自分の経歴に沿っての体験を元に、生まれ育った町と仕事を誇りに思う、と話しながら、故郷に対する思いや、様々な体験や経験が自分の大きな財産になるってことを伝えました。

「色んなことに興味を持って、たくさんの経験をしよう!」

作品を見て触れてもらいながら、「オンリーワンは経験から」って・・・

社会と道徳の授業のようになってしまいましたが、子供たちが実際に見て、触れて、積極的に質問や意見を出し合える授業が出来たと実感できたことは、私自身にとっても、有り難い貴重な体験になりました。

辻 聡彦

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