「土と汗まみれ」

ジメッとした暑い日のロクロ作業を行う聡彦氏。なんと、今回使用する土の重さは5キロのお米5袋分…!大学時代にロクロの授業はありましたが、こんなにたくさんの土を使ってロクロを回したことないので、想像しただけで体力が奪われてしまうそうです。


聡彦氏は重要無形文化財保持者である井上萬二氏のもとで、ロクロの技術を2年間学んでおり、当時は一生懸命作ったお茶碗の生地を見てもらっても、少しでも歪みがあれば指でチョイと壊されて、また作り直して、見てもらっても、壊されて……の繰り返しだったそう。


技術はもちろん、萬二氏から教わったロクロの心得が、今の制作に繋がっていると聡彦氏は語ります。

大 堀

「色を探して」

新しい絵具を探しに絵具屋さんを訪ねに行きました。聡窯では鮮やかな青色の絵具(呉須)を使用する作品が多いですが、今後の新しい作品作りで挑戦しよう!と、今回は赤、スミ茶、茶サビの3色を選んでみました。サンプルの焼き上がりが楽しみです。


「色」にはたくさんの名前が付けられています。赤でも、茜色、赤紅、赤橙、紅葉色…。平安の女性たちの繊細な感性が生み出した龍装束の配色美、山紫水明との調和を求めた風流、詫び・寂びの世界。歴史の流れで生まれた和の色は、美しい名前が付けられています。


日本では古来より暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細な色の世界を見出し、豊かな情趣を愛でてきました。それらは、多くの絵画、染織物、詩歌、文学、そして焼き物として、生活や文化の中に深く息づいています。

大 堀

「変わっていく花」

工房に咲く春の鉄仙をモチーフに描いた鉄仙シリーズ。今年のWEB有田陶器市でも好評だったこの作品は、先代 辻 毅彦が1978年に有田国際陶磁展(旧 九州山口陶磁展)で、最高賞を受賞した鉄仙のデザインを元にしたものです。これから先、もっと長く愛され、続いていく作品にしていくためには、少しデザインを変えてみてもいいのでは?という話になりました。器の形状を増やしてみる、絵具の色を変えてみる、同じ作風で違うで違うお花を描いてみる……


『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である』

大学時代に恩師から聞いたダーヴィンの進化論の言葉、ふと思い出しました。人も焼き物も、変化しなければならない時が来ているのかもしれません。


大 堀

Sohyoh Brand 「鉄仙」 聡窯・辻 オンラインショップにて販売中
乾燥した生地に、釘の先端をさらに尖らせた道具で絵を彫っていきます。