聡窯日誌 vol.3 「土と汗まみれ」

ジメッとした暑い日のロクロ作業。大きい作品は土台と側面を分けて成形していきます。なんと、使用する土の重さは土台で7㎏、側面で18㎏…! 合わせて5㎏のお米5袋分。集中力と体力が奪われそうになりながらも、土を積み重ねて成形していきます。

聡彦氏は、重要無形文化財保持者である井上萬二氏のもとで、ロクロの基礎技術を2年間学びました。当時は、萬二氏に一生懸命作った茶碗の生地を見てもらっても、少しでも歪みがあれば指でチョイと壊されて、また作り直して、見てもらって、壊されて…の繰り返しだったそうです。

正確な形状・寸法を成形するための技術はもちろん、萬二氏から教わったロクロの心得が、現在の作陶に繋がっていると聡彦氏は語ります。

スタッフH.O

余談ですが、有田町にある佐賀県窯業技術センターでは、陶磁器産地の次世代を担う新しい人材の育成を目的として、研修期間6ヶ月の一般研修を行っており、令和2年度10月期の研修生募集を6月2日から開始しています。この研修では、陶磁器産業界への就業を希望される方を対象として、「ロクロ」「絵付」「製造技術」に関する技術研修を行います。

ロクロを学んでみませんか?

令和2年度一般研修10月期 研修生募集について

聡窯日誌 vol.2 「色を探して」

新しい絵具を探しに、絵具屋さんを訪ねました。今回選んだ色は、赤、スミ茶、茶錆の3色。聡窯では、鮮やかな青色の絵具を使用することが多かったのですが、前回お話しした鉄仙シリーズの色違いや、今後の新しい作品作りで挑戦してみよう!と、茶色系の色を選んでみました。来週サンプルが焼き上がるので楽しみです。

焼き物用の絵具もそうですが、「色」というものは本当にたくさんの種類と名前が存在しています。私の好きな赤でも、茜色、赤紅、赤橙、紅葉色…などなど。

日本では古来より暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細な色の世界を見出し、その豊かな情趣を愛でてきました。それらは多くの絵画、染織物、詩歌、文学、そして焼き物として、生活や文化の中に深く息づいています。

例えば、平安の女性たちの繊細な感性が生み出した襲装束の配色美、中世の武家社会に見られる質実剛健さ、戦国武将達の極彩色に満ちたきらびやか彩り、山紫水明との調和を求めた風流、そして詫び・寂びの世界など。歴史の流れでつけられた和の色は、美しい名前がつけられています。

今の日本は何色に染まっているでしょうか…?

スタッフ H.O

聡窯日誌 vol.1 「変わっていく花」

春になると工房に咲く鉄仙。それをモチーフにした器は、聡窯のロングセラーとなり、今年のWEB有田陶器市でも好評でした。当初からデザインは変わってませんが、これから先、もっと長く愛され、続いていく作品にするためには、少しデザインを変えてみてもいいのでは?という話になりました。

器の形状を増やしてみる、絵具の色を変えてみる、同じ作風で違うお花を描いてみる…等など。

『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である』

学生時代に恩師から聞いたダーヴィンの進化論の言葉を、ふと思い出しました。人も焼き物も、変化しなければならない時が訪れているかもしれません。

スタッフ H.O

 

【Web有田陶器市】ご来場の御礼

この度、Web有田陶器市ではたくさんの方々にご来場の上お買い上げを賜り、誠にありがとうございました。お陰様で好評の中、無事に終了することができました。日本の産業・国民が新型コロナウィルスの影響で苦しんでいるこの時期にも、有田焼、そして聡窯の作品を愛して応援してくださる皆様に、スタッフ一同感謝の気持ちを申し上げます。

初めての試みであり、至らないこともあったかと存じますが、今後とも皆様のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

追伸:時に雨露は、美しさを与えてくれます。

【Web有田陶器市】開催日程のお知らせ

第117回有田陶器市は、新型コロナウイルスの感染・拡大を防ぐため延期となりましたが、期間中は『Web有田陶器市』を開催し、Web上で陶器市・お買い物を楽しむことができます。

聡窯・辻も、Web有田陶器市への参加準備を進めておりますので、皆さまのご来店をお待ちしております。

日程:4月29日(水)9時 ~ 5月5日(火)17時

有田陶器市HP、有田会議所、観光協会HP、有田町HP から、Web有田陶器市特設サイトへアクセスすることができます。現在、特設サイトは準備中です。特設サイトの準備が出来次第、お知らせいたします。

【第117回有田陶器市】開催日程のお知らせ ※延期

4月29日から5月5日に開催予定の第117回有田陶器市は、新型コロナウイルスの感染・拡大を防ぐため、取り止め延期となりました。延期については、新型コロナウイルスの終息後を考えています。

また4月29日から5月5日の期間中は『Web陶器市』の実施が予定されており、Web上で陶器市・お買い物を楽しむことができます。

ぜひ、Web陶器市をご利用くださいませ。

【個展のご案内】

【個展のご案内】
~静寂と躍動~
 辻 聡彦作陶展 (併催)辻拓眞作品展
TOSHIHIKO TSUJI & TAKUMA TSUJI CERAMIC ART EXHIBITION

■会期 令和1年7月10日(水)~15日(月・祝)
 <最終日は午後5時閉場>
■会場 佐賀玉屋 本館6階 ギャラリー

  白磁をキャンバスに、陶芸界でも異色の線刻技法は、立体感と奥行きを生み出します。
生活の中に共存する静と動の相対する想いを「静寂と躍動」のテーマで表現しました。
併せて今回は、今春の日本現代工芸美術展に於いて新人賞を受賞した機会に、長男・辻拓眞の作品を初出品いたします。
白磁と呉須のコントラストやグラデーション、そして独特の表現方法で磁器の世界に挑戦する辻父子の新たな世界をお楽しみ頂ければ幸いです。
   聡窯  辻 聡彦

【辻 聡彦】 1965年 佐賀県有田町生まれ
1991年  井上萬二氏に師事、父・辻毅彦のもと、聡窯にて作陶に入る
1995年  日展初入選(以降22回入選)
1997年~ 各地で棚田など自然をテーマにした陶板壁画を依頼され制作
2002年  有田国際陶磁展(旧九州山口陶磁展)最高賞(文部科学大臣賞)
2013年  日本現代工芸美術展 現代工芸本会員賞
2017年  日本現代工芸美術展 審査員就任
<現在> ・日展会友 ・現代工芸美術家協会本会員 ・同協会九州会常任委員
     ・佐賀県陶芸協会理事 ・有田陶芸協会事務局長 ・聡窯主宰

【辻 拓眞】 1992年 佐賀県有田町生まれ
2015年 佐賀大学 文化教育学部 美術工芸課程 卒業
 〃   有田国際陶磁展 初入選(以降4回入選)
2017年 佐賀大学 教育学研究科 教科教育専攻 美術教育専修 修了
 〃  佐賀県立有田窯業大学校・佐賀県窯業技術センター 非常勤就任
2019年 日本現代工芸美術展 初入選 現代工芸新人賞
 〃  現代工芸美術九州会展 初出品 佐賀県立九州陶磁文化館館長賞
<現在> 父・辻聡彦のもと、作陶に励む

【個展のお知らせ】

【個展のお知らせ】
~情景を刻む~ 辻聡彦作陶展
■会期:2019年6月26日(水)~7月2日(火)
■会場:山陽百貨店(姫路市)本館5階・美術画廊

 白磁をキャンバスに独自の表現方法で作陶している辻聡彦先生は、陶芸界でも異色の線刻技法により、土のめくれの強弱で立体感と奥行きを生み出し、有田の原点である白磁と呉須に調和する線刻の独特の世界をつくりあげています。
ぜひご高覧の程よろしくお願いいたします。(同展ご案内状挨拶文より)

【個展のご案内】

【個展のご案内】

~情景を刻む~ 辻聡彦作陶展
◾️会期:平成31年2月27日(水)~3月5日(火)
◾️場所:横浜髙島屋 7階 美術画廊

 白磁をキャンバスに、独自の表現方法で作陶に取り組んでいる辻聡彦氏。 陶芸界でも異色の線刻技法は、土のめくれの強弱で立体感と奥行きを生み出します。
 白磁と呉須のコントラストやグラデーション、作家の持つ心情や作品の変化を表した辻聡彦氏の新たな世界をお楽しみいただければ幸いです。

詳細は横浜髙島屋美術イベントページ
https://www.takashimaya.co.jp/yokohama/event3/